こんにちは、iPad勉強歴5年の医学生のしおん@preproshio_medです。
医学部の4-5年生の臨床実習であるポリクリ、そして6年生の実習ではクリニカルクラークシップがあります。実際に僕も5年生となり実習が始まりましたが、どのようなものが必要になるかはわからない点も多く、また走りながら最適なものを選んでいく必要がありました。
今回の記事では、医学部の病院実習であったほうが良いものについて述べていきたいと思います。
病気について調べる
何はともあれ、実習では病気について調べる必要があります。僕は、動画講義である程度の内容を予習していっていますが、基本的に大学病院やその関連病院での症例、ならびに実臨床での症例はそれだけでは到底足りないことが多いです。
科ごとに図書館で本を借りることはもちろんありますが、年度や冊数の関係で全ては図書館の本でまかないきれません。先生が貸してくれたり、医局やカンファレンスルームにおいてある本を見せてくたりすることもありますが、それでもまかないきれない範囲もあります。
それは、国試レベルの基本的な病気の内容、そしてエビデンスを持ったその疾患の知識です。
病気が見える
いわずとしれた病気がみえるです。去年皮膚科と耳鼻科が加わったことで、大体の科目を網羅しています。
基本的な病気の基本的な事項をおさらいするのに有用です。病院実習を回ってみればわかるのですが、病気がみえるを見てね!という先生とそんな物は使うな!という先生がいるので、慎重に使いましょう。
他の専門書とiPad、パソコンを持ち運ぶことを考えると病気が見えるを紙で持ち運ぶことは現実的でないので、家で使うのみにするか電子版を使うことをおすすめします。
イヤーノート
イヤーノートは、病気が見えるを発行しているメディックメディア社から出ている内科外科のまとめ本です。ガイドラインなども参考として作られており、病気が見えるに比べると知識が濃厚であり、研修医になってからも使う機会が多いと聞きました。
内科外科に関してだけですが、鑑別なども含めて記載してあるので、症例レポートなどでの「鑑別を挙げよ!」にも対応しやすいです。
なお、最近では、国試版QBと合わせ買いで無料でもらえることも多いようでたくさんの人が持っている印象ですが、QBを買っていない人も持っておくと便利だと思いました。
僕もQB国試版は買っていませんが、イヤーノートを買っています。
イヤーノートは、延長料金で最新版へと切り替えが2年限定でできるので、5年生で買うと6年生、研修医1年目は最新の状態のものを使うことができます。
MSDマニュアル
MSDマニュアルはネット上のサービスなので、どこからでもアクセスできます。
出典(Source):出典として広く認知されたしかるべき情報源が明記され、その証明となる情報が記載されているか?
/resourcespages/about-the-manuals
透明性(Transparency):そのサイトの目的が教育目的であるか商業目的であるかが明示されているか?
利便性(Accessibility):そのサイトは登録なしで利用でき、かつ質問や意見などを送信するための窓口が設けられているか?
中立性(Neutrality):そのサイトに掲載されている情報は純粋に情報資源として利用できるか?あるいは、ユーザーの行為(商品を購入する、宣伝されている別のサイトにアクセスするなど)がサイトにとって金銭的な見返りとなる仕組みになっていないか?
情報管理(Documentation):そのサイトは必要なタイミングでしかるべき医療専門家によって更新されているか?
セキュリティ(Security):個人情報を入力することなくコンテンツにアクセスできるか?
という理念を掲げているだけあり、充実した情報を手軽に手に入れることができます。詳しい治療法などまで乗っているので、調べ物に非常に有用でした。
Mindsガイドラインライブラリ
医学の症例についてエビデンスに基づいたものを書いてね!と言われたらガイドラインを確認しましょう。論文を読むことも重要だと思いますが、その論文を集約しているものなので古いものでない限り基本的に信用することができます。
uptodateなどは学生レベルで使える場所が少ないと思うので割愛します。
他にも特定の分野のみ活用なものはいくつもありますが、それは別記事にしようと思います。
文献を調べる
ここでは、大量の文献を論文として持っておくことは想定していません。
もし、ポリクリでそのように大量の論文を管理、読解するようなところがあればzoteroなどの導入を検討してください。
Pubmed
論文を調べてこいと言われたらまずはここという場所です。基本的にはPubmed以外で検索することはないのではないかと思います。
Pubmedはそのまま使うと少し使いづらいので、google Chromeにて以下のアドオンを入れることをおすすめします。
PubMed Impact Factor
論文の影響力としてImpact Factorという指標があります。
これで論文を絞り込むことが出来る機能です。
Unpaywall
論文の中にはPDFでダウンロードできるものとそうでないものがあります。検索して表示されたものをクリックして見れない‥という悩みはこの拡張機能でそこそこ解決します。
合法的にネット上から無料で読めるPDFがないか探してくれます。
Life Science Dictionary Tool WebExtension
自然科学系の辞書を読み込んでいる英語辞書です。
翻訳サービスを使っても、翻訳は完璧ではなく、一部誤訳があることもあります。原文を確認する際に単語を毎回調べるのは面倒です。
これを入れておけばマウスでホバー(文字の上にカーソルを乗せること)だけで単語の意味を知ることができます。
大学が契約しているもの
Pubmed以外にも文献の検索サービスはあります。
電子図書館と呼ばれる大学が契約している情報、文献検索サービスがあることもあります。
- メディカルオンライン
- scopus
はどこの大学でも割と契約しているのかもしれません
大学により何を契約しているかはことなるとおもうので先生や先輩に聞いてみてください。
翻訳
論文はとりあえず、翻訳。と言われるほど翻訳ツールが充実し始めました。
調べた結果出てきた論文や先生から与えられた論文をわざわざ原文のまま読む人はそれほど多くないと思います。また、翻訳すれば誤訳は防げないものの読解時間をかなり減らすことができます。
google翻訳
Chrome拡張機能を入れることでページ全体を自動翻訳してくれます。
また、Chrome拡張機能の存在しないスマホでもChromeブラウザを使えば自動翻訳してくれるのでパソコンがない環境でも使うことができます。
shaper+DeepL
ページをそのまま翻訳してくれるわけではないですが、高い翻訳精度を誇っています。
また、英語にありがちな行間で-(ハイフン)があるなどの翻訳に邪魔なものはshaperで整形することができます。
デスクトップ版のアプリをダウンロードしておけば、ctrl (cmd) + Cを2回押す、iPad、iPhoneでは以下のようにショートカットで翻訳することもできます。
無料版は字数制限もありますが、より精度を上げたい際には状況に応じて使い分けると良いと思います。
レポートを効率的に作成する
DMiME
医学用語をレポートで打ち込む際に使う変換効率化辞書です。
病気の名前や医学の用語が変換で出ない経験をしたことは誰にでもあると思います。DMiMEにはあらかじめ多数の医療用語が登録されているので、google日本語入力を組み合わせて使うことで入力をかなり効率化できます。
使い方などは以下に載せています。
LafLabo
レポート作成時には検査数値などを記載します。しかし、この数値と単位を入力する作業がかなり大変です。
LafLaboはルーティーンの検査に入っている検査項目や薬の商品名を一般名に直すなどの作業を行なってくれるウェブサービスです。
総合内科を回る際やマイナーを回る際などLafLaboでは対応しきれない検査数値を扱うことは多くあります。そのような場合には対応できるもののみ使用し、それ以外はwordに直接記入するか、自分でスプレッドシート、Wordのマクロなどを利用して入力することをおすすめします(作るのは難しいのであまりおすすめしません)。
LafLaboの使用については僕もまだ検討中ですが、今わかっていることは下に記載しているので参考にして下さい。
実習での必需品
必ず必要なものからあると便利なものまで紹介します。大学によって微妙に指定が異なるのでそれは大学からの指示を優先してください。
student doctor認定証+ネームクリップ
学生証以外に、student doctor認定証を持ち運ぶことになります。基本的にこれが病院内でも身分証となることもあり、僕の大学では常に見える位置につけておくように定められています。
そのため、クリップ付きの名札ケースを用意しました。
OSCEのときにも名札ケースは必要だったので同級生と一緒に以下のものを買いました。まとめ買いするととても安いです。
ケーシー・白衣
ケーシー、白衣はまさに必需品です。大学での一括購入の案内がOSCE前あたりに来るんじゃないかなと思います。
白衣とケーシーのどちらを着るかは自由でしたが、大体の人はケーシーを着ていました。大学を通して買うものは高い傾向にあったので、一定数の人はAmazonで購入していました。
僕が買ったものは、以下のケーシーでした。
襟元が黒色になっているので首元の汚れが目立ちにくいですし、首元以外はジッパー式で着脱がしやすいです。週の途中で選択するのは面倒なので、2-3枚を着回すのが良いと思います。
なお、レディースとメンズでデザインが異なり、なぜか女性の方は首元が黒くなく汚れが目立つようになっています。
ズボン
多くの大学で黒系のズボンが指定となっているのではないかと思います。
大学内では、階段や老化のダッシュ、手術室での立ちっぱなしなど割とハードな活動があるので、ストレッチ性の高いズボンを買うことをおすすめします。
僕は、ユニクロのアンクルパンツを購入しました。
このユニクロのアンクルパンツは時期によって1000円オフになります。(たぶん)店頭に行って試着してサイズを測り、セールの時期にまとめて複数ユニクロの公式店舗で買うことをおすすめします。
白衣ほどは汚れませんがこちらも毎日履くので複数持っていると選択しやすいです。
クッション性のいい靴【白色・黒色】
ズボンだけでなく足回りの環境を整えましょう。地面との間で自分を支えてくれ、手術の間も硬い床から守ってくれます。絶対に課金しましょう。
僕は、実店舗のABCマートで靴の大きさを測って、ZOZOのABCマートと実店舗のセール時の値段を見比べて安い方で買いました。
僕が検討したのは以下の3つです。
- ニューバランス 997など数字が大きめの靴
- adidas スタンスミス
- Nike エアーマックス
このうち、スタンスミスは少し硬く、Airmaxは少し派手だなと思ったので、ニューバランスにしました。
店頭にいくつかおいてあるので予算と相談しながら履き心地によって買うものを選ぶと良いと思います。
白色や黒色などの指定がある大学も多いと思いますが、学生用のロッカーがあることが多く、外の靴と中の靴を分けていればそれほど汚くはならないと思います。
聴診器
名札ケース同様、OSCEのときに買っていました。
大学の生協で扱うものがネットで買うよりも安く、在学中の修理サポート、アプリの使用ライセンスなどがついていたので大学でまとめて買いました。
まとめ買いでネットで探しうるどこよりも安くなるので他が検討にすら入りませんでした。
多くの大学では似たような状況になるのではないでしょうか。
病院実習では、首から下げると怒る先生がいるため、基本的にポケットに入れて持ち運びます。なのでケースはいりませんが、ロッカーで管理するとき用にダイソーでスイッチ用の300円のケースを購入しました。
これでとりあえず格好は整いましたので次からは細かい持ち物を紹介します。
シャープペン+メモ帳
白衣のポケットの中に入る小さなメモ帳を持ち運んでおくと急なメモにも対応できます。
下記は一例ですが、このような大きさのものなら何でも良いと思います。
場面によってスマホが使いづらかったり、電波を発するものを持ち込んでは行かなかったりする状況もあるので必要です。
USB
レポートの添削など先生とやりとりをする場合や医局やカンファレンスルームで印刷をしてもらう場合などUSBを持っておくと有用な場面は多々あります。
僕はiPad proを使っており、パソコンもUSB-Cがさせるので、USB–USB-Cどちらでもさせる以下のUSBを使っています。
Apple pencilのクリップ
メモ帳を入れているポケットには、シャーペンやボールペン以外にApple pencilも入れています。Apple pencilはそのまま入れると落ちてしまうのでクリップで止めています。
番外編
先生とのやりとりや病院とのやりとりなど署名を追加したほうが良い機会は多いです。
署名を追加しておくことで自分の情報を初対面の人に伝えやすいです。
google、yahooのメールにはそれぞれあるので以下を参照として作ってみてください。