こんにちは、医学生のしおん@preproshio_medです。
医学部国家試験対策予備校のmedu4に2020年アプリ版が登場しました。
10月1日より実施されていたβ版のテスト期間が終わり、12月24日に正式に一般公開されました。
アプリの公開前から、β版の公開までと公開されている機能、情報について賛否両論ありましたが、ひとまず形になってきたような気がします。
現在まで公開されている機能やその使い方、使い分けについて、この記事では紹介していきます。
情報は2020年12月25日現在のものです。また、バグなどの報告は公式の意見ボックスまでお願いします。
medu4のアプリの概要
medu4のアプリでは、講義動画のダウンロードや高性能な演習機能などウェブ版では難しい機能を備えています。
また、正式リリース版では多くの不具合や問題点が解消されました。
動画ダウンロード
先日medilink、QAのオフライン化が発表され、講義動画や問題演習(QBのみ2021年春対応予定)のオフライン化が進みました。
デジタルベースでの勉強が進めば進むほど、デジタル特有の問題が数多く発生します。
その中の重大な問題の1つがサーバーの重さです。日頃使っているサービスはサーバーが強いのですが、医学部予備校のサーバーなどはたかが知れており毎年問題が発生していました。
また、動画のviewerのみ重くなるということもあり、勉強の環境としてとても不安定でした。
medu4では、毎年国試前の究極マップなど受講者が急増する季節や時間でかなり動画が重くなっていました。
講義動画をアプリで見ることができるようになった上、ダウンロードできるようになったので、周りの環境に左右されずに動画を視聴することができるようになりました。
- 自宅や大学の貧弱なネット環境に悩まされてきた人
- 直前期などに動画を見る人
このような人にはまさに待っていた機能ですね。
また、モバイルWiFiを持っている人や外で勉強する機会が多い人にとっては、空き時間にダウンロードしておけば安定した環境で見れる点も非常に魅力的です。
一般公開版でダウンロードの制限が10本から30本へ変わり、視聴期限が撤廃されました。
これで本当の意味で空き時間にダウンロードできるようになりました。また、一括で動画のダウンロードもできるようになりました。
現在視聴している画質の動画がダウンロードされます。そのため、試聴したい画質に合わせてからダウンロードをしましょう。ダウンロードした動画はアカウントの画面に追加されます。
medu4WEBの登場
正式リリース版では、medu4WEBが登場しました。
medu4WEBはmedu4.netという別サイトからアクセスできます。スマホ版のアプリ内でQRコード画面を開き、ウェブページ上で読み込めばログインできます。
medu4.comよりも高性能な動画リーダーを使っているため、アプリとの併用、スムーズな視聴が可能になりました。
アプリ版と同じID、パスワードでログインすることもできますが、ログインしている状態ではQRコードを読み込めないので注意が必要です。
講義動画の中断機能
Q-assistとmedu4が比較される内容の中にテーマごとに区切られているから動画を見やすいというものがあります。
medu4の動画にも目次機能が加わったため、目的のチャプターに飛べるようになっていました。
しかし、途中まで見てその後続きを見るというときには毎回最初から開き直す必要がありました。
アプリ版では、動画を途中で視聴終了するとその場所で保持されるため、続きを見るときにはまさにその場所から見ることができるようになりました。
地味にですが、ありがたい機能です。
受験生にありがたい高負荷演習
穂積先生がダークサイドと呼ぶ、新たな演習機能が追加されました。
medu4には、テキストの問題などの演習機能と自分で過去問を選択してデッキを作って演習する機能があります。
それらはただ演習するだけという立ち位置でしたが、アプリ版ではカスタマイズして演習できるようになりました。
以下のモードを1つ、もしくは複数選択して演習することができます。
詳しくは以下の動画を見た方が早いかもしれません。
概要は以下で説明します。
shuffle mode
元々の演習機能では、問題番号自体をシャッフルしてランダムで出題する機能はありました。しかし、国家試験の過去問は何度も解くため、選択肢の場所で何となく覚えてしまいます。
shuffle modeでは、国家試験の問題の選択肢の順番を変えてくれます。そのため、何となくこれは真ん中辺りに…といううろ覚えを防いでくれます。
勉強を始めた学年でも十分に使いこなせそうな機能ですね。
shadow mode
shadow modeは、問題文の前半30%のみを表示する機能です。現在のところは30%ですが場合によっては修正が入るかもしれません。
問題によっては、最後の方の文章で決定的なワードが来てそこから選択肢を選べてしまうことも少なくありません。
しかし、このモードではそれができないので、患者の情報(not 検査数値)から自分で鑑別を考えていく必要があります。
まさに直前、頭の整理ができていないとできないモードだと思います。
ただし、問題によっては残りの70%がないと答えを選べなくなってしまうこともあると思います。
そのため、非常に難易度の高いモードです。
全文を見たいときには、回答状況から見ることができます。
superX mode
superX modeとは、選ぶ個数を消すモードです。
国家試験の問題の複数回答を選ぶ問題では問題文中に、個数が明示されています。
しかし、大学の定期試験などでは全て選べ…という文字を見ることが多く、苦闘した人も多いかもしれません。
そのモードがsuperX modeです。
このmodeにしておけば、正解の数が分からないので、正解は積極的には選べなかったけど、他が違うとわかったから正解になった。というような消極的な正解を防ぐことができます。
ある程度慣れてきたらこのモードを使うと知識の確認がかなりやりやすそうですね。
missing mode
missing modeは、選択肢を1つ隠すモードです。
この答えが正解かどうかも分からないのでかなり負荷が高くなるモードです。
講義や問題の進捗管理
講義や演習の進捗管理機能がみやすい形で追加されました。
学習の成果判定に便利な機能だと思います。
問題セットの作りやすさが劇的にアップ
国家試験の問題を自由にセットできる問題セットという機能があります。
この機能は、今まで少し使いづらかったのですがアプリ版では一括追加などができるようになりました。
演習の際にも細かく、かつ簡単に条件を設定できるようになりました。
アカウント利用の条件
使用条件が少し面倒なので気をつけてください。
デバイスは1つまで利用可能
変更できるのは、年度内に2回まで
2020年度版以降のみアプリで見れる。
2月よりパソコン版で見ることができなくなる
デバイスの利用制限は1台まで
不正利用防止の観点からか、アプリの利用アカウント制限が加わっています。
現在はスマホ版のみ提供されており、スマホは基本的に1台しか持たないのであまり問題にならないかなと思います。
アプリ版の制限台数≠medu4を見られる、使える台数
です。正式リリース版ではQRコードを利用すればウェブ版も利用できることになりました。
iPhoneに集約させ、iPadやパソコンにミラーリングで写せば解決と公式からは出ていますが……疑問が残る設定です。
デバイスの変更ができるのは年度内に2回まで
デバイスの変更の制限が年に2回までとなっています。
その上デバイス変更には以下の項目が含まれています。
iPad、iPhoneなどを変更するとき
アプリに不具合が起きて再インストールしたいとき
このため、何らかの理由でスマホやiPadを変える際には注意が必要です。また、アプリにバグが起きて入れ直そうとするとそれが1回にカウントされるので運が悪ければそこからもう変更はできなくなります。
最初にiPad版を使っていた人はiPhoneに切り替える際に1回カウントされているため注意が必要です。
2020年度版のみアプリで利用可能
アプリ版で利用できるのは、2020年度の講義のみです。そのため、取っている授業によって年度が違う人はブラウザ版とアプリ版それぞれを使い分ける必要があります。
今年の国家試験までは、どちらも使えるのですがそれ以降は、アプリ版に移行したらブラウザでは見られなくなります。
受講状況は、テキストの問題演習ともリンクしています。そのため、問題演習もアプリ版でのみできるようになると思います。
ブラウザ版とアプリ版の比較
新ウェブ版の登場でアプリとウェブ版の併用が可能になりました。
これで基本的には端末制限などを気にせずにいいとこ取りをして使えるようになりました。
medu4.netは、基本的にアプリ版のうち動画を見る機能だけを特化して表示したものです。
購入の系統が違うため、medu.comとmedu.netのいずれか購入した映像授業を双方で見ることはできません。
旧ブラウザ版とアプリ版の比較を以下でします。
iPadのサポートの終了宣言が出たため、iPhone、Androidでしか利用はできませんが、アプリ版は多機能です。特に、動画のダウンロード機能や問題演習機能。この2つは、それだけでアプリ版を使おうという気持ちにさせてくれます。
アプリに移行するべきか(アプリで買うべきか)考える際に重要となってくるのは以下の点かと思います。
先述した通り、medu.netで買った動画はアプリ内では見られますが、medu.comで買った動画はアプリで見ることはできません。
- スマホを使うか
- 繁忙期などに利用するか
- ミラーリングができる環境にあるか
- どの環境でも手軽に見たいか
- 今までの動画はどこで見ているか
スマホを使わず、持っていないという人はいないと思うので省きますが、究極マップなど繁忙期に利用する人は、自身の利用が繁忙期にかかるという意味では全員が当てはまると思います。
主に重要になってくるのは下の3つです。
ミラーリングができる環境にあるか
iPhoneでのみしか動画をオフラインで再生できないため、家でそれを享受しようとすると、iPhoneの画面をどこかにミラーリングする必要があります。
このため、ミラーリング用のiPadやパソコン、ディスプレイがなく、メインの勉強器具しかないのであれば、iPhoneの画面を大きく表示するのは厳しいでしょう。
逆に使っていない画面があるのであれば、後はミラーリング用の設定をするだけで済みます。
事前で調べておいて重いなと感じる時だけダウンロードしておいた動画を見るという使い方ができ、保険の役割を果たします。
どの環境でも手軽に見たいか
コロナウイルスの影響で自宅で勉強する人が増えているため、家のパソコンで動画を見る習慣がついている人が多いかと思います。
スマホでほとんど動画を再生しないのであればログインの度にスマホが必要になるmedu.netは少し不便かもしれません。
今までの動画はどこで見ているか
初めてmedu4の受講をする人には関係のないことですが、今までもmedu4の受講をしてきた人は、動画の再生場所や問題演習の場所が別れてしまいます。僕も2019年度版と2020年度版と購入している講座が分かれているのでこの現象に陥っています。
medu.comとmedu.netどちらで購入すべきか?
上記を考慮してどちらを決めるか選ぶと良いと思います。
僕は4年生でCBTを控えているため、その前にサーバー落ちを避ける目的で2020年度版の講座は全てアプリ版へと移行したままにしています。
究極マップも同様に、サーバーが強化されて落ちなくなったとしても、動画自体が途切れる可能性は否めません。また、以前からmedu4を取っていた人でもまとめ的な受講になる究極マップなどの講義は、その1つだけがアプリでの演習という風に独立しても他とつなげることがあまりないため影響は少ないかと思います。
このため、これからCBT直前講座や究極マップをとるのであれば、medu.netが良いのではないかと思います。
しおんの感想
メリットは上で述べているので全体を受けたデメリットのみ記述します。
今回の公開を受けて個人的にいくつか問題点を感じました。
煩雑である
medu4は元々スタイリッシュな感じのイメージがありましたが、medu4.netの登場でそのイメージは崩れ去りました。
β版で問題となった端末問題はある程度解消されましたが、動画視聴等用のmedu4.netの登場で一気にカオスになったためです
medu4.comと、medu4.net・medu4アプリはログインの系統が異なり、また、それぞれで使える機能も異なっています。
QRコードログインができるようになったとはいえ、ログインの維持時間によっては、動画を見るたびに毎度スマホを起動する必要があるので大変面倒です。
勉強の端末が噛み合わない
今回のアップデートを受けて1番感じたのはこれです。最近、僕はgoodnotes5+Anki主体の勉強法からそれにObsidianを使った勉強へと切り替えています。
場所や勉強のスタイルなどによって機器を切り替えることで、inputや知識のlink、暗記学習を効率的に行えたらいいなと思っています。
medu4の出番はinputと演習、復習としての講義受講ですが
- inputはiPad(手書きノートでメモを取りたい)とパソコン
- 演習はiPadとiPhone
- 復習は全ての機器で柔軟に
行なうのが良いのかなと思っています。
本来は全ての端末で同じ機能が使え、機器ごとに使い分けるのが理想的ですが、残念ながらそうもいきません。
また、iPadのアプリ版が廃止になったため、ダウンロードや演習をiPadで行うことができなくなりました。
ダウンロードした端末でしか基本的には見られないため、ダウンロード機能自体僕にとってはほぼ有用性がなくなりました。
スマホで流せるので運転中などに聞いておくことができるのですが振り返りとしてそのような使い方をする人向けの機能となっているのかなと思います。
問題演習自体はスマホでやる方は合っていると思うので問題はないですが、解いてそのまま自分のノートに反映させることを考えるとiPadでやれないのは少し辛いです。
medilinkに期待したい
- 端末制限がある
- アプリでよくバグが起こる
などのデメリットはありますが、medilinkの方が全体として使いやすいイメージです。
動画もアプリも基本的にどの端末も独立して使えますし、書籍や動画、問題集までもオフラインで使えるようになる見込みです。
勉強のスタイルや状況に応じて機器を使い分ける勉強スタイルでは、こちらの方が向いているような気がします。
オフラインの対応次第ではありますが次年度は後輩などへQ-assistを推して行こうかと思っています。
復習の段階にある人は困らないであろう
動画を全て見てしまって、復習の段階に入っている人にとっては、このアプリなどのスタイルは基本的に困らないのかもしれません。
しかし、iPadやパソコンなどを勉強の軸として据える以上端末によりこれだけ環境が変わり、また、目玉として提供されている機能もあまり使いこなせないのであれば意味がないなという印象です。
穴埋めや一問一答など受講生のことがよく考えられているmedu4ですが、それだけにiPadで同様の機能が使えないのは少し残念です。
これは個人的な現在の感想です。
そのため、現状の問題がどう解決されるか、仕様がどう変更されるかによって変わる可能性もあります。また、使い方によって移行すべきか否かが変わってくるような気がします。
レビューありがとうございます。やはり現状でアプリへの完全移行はリスクが高いですね。
動画はブラウザで、問題演習はアプリでできたら一番良いのですが…
本当ですよね。自由に使えるようになるのが1番いいんですけど、このままだと問題演習がいくらよくても動画視聴のためにブラウザ利用になりそうです。