こんにちは、iPad勉強歴5年の医学生のしおん@preproshio_medです。
医学部の3、4年であるCBTとは何かについて説明します。
CBTってなに?
CBTはcomputer based testingの略で、冒頭に「医学部の」とつけているように、固有の名称ではありません。
実際に117回医師国家試験(2020年度4年生が受験予定)の国家試験から、医師国家試験もCBTになる可能性があるなど、様々な試験で取り入れられている形式です。
CBTってなんのためにするの?
医学部では、student doctorの認定証を配布するための要件としてCBTを行なっています。
大学によっては学内試験を普通に勉強していれば全く進級とは関わらず、ほぼこのCBTだけで決まるというところもあるようです。
このため、実習の期間に合わせて、その前になるように、多くの医学部では、4年生の夏から冬にかけて行なわれます。
CBTの問題形式
CBTは、基本的にプール問題から出題されます。
1日の全体で320問出題されるのですが、このうち240問がプール問題に該当します。CBTではこの240問のみが採点されます。
このため、本番の体感(320問全部を含めた得点の体感)から1割ほど上がると言われています。
CBTの問題はそれぞれ1-6ブロックに分けられ、大体出る問題が決まっています。こちらは後に述べるQB CBTを参考にすればだいたい理解できます。
人によって出題のセットが異なり、前のブロックの得点率によって簡単なセットになったり難しいセットになったりすると言われています。
この人によって出題が異なるという仕様のため、休み時間に回答確認が行われないのは良いですが、自分の苦手なところばかりでると詰む恐れがあります。
元々ギリギリな人が基礎医学が難しいセットにあたって…薬理学が連続で…よくわかんない病理画像が…なんかいっぱい寄生虫学がでた…何ていう話も聞きました。(実際にどんな内容かは書いていないので抵触しないはず。)
問題を知ることはできない
期間が様々なのでCBTでは、問題の漏洩をしないという誓約書が欠かされます。
実際に先に行われた大学に友人などがいても聞いて問題を知ることは規則上できません。
また、このようなブログでも出た内容を書くことはできませんし、時々Twitterで漏らした人が燃えています。
先程の抵触しないというのはこの内容を話してはならないという契約についてです。
では、どのようにして対策するのか?というと、これにはQB CBTを使います。
QB CBTはCBTの出題範囲や形式に則った問題集です。
CBTの合格基準
CBTは全国共通の試験のため、共通の合格基準が設けられています。こちらはIRTというもので数値化されています。
IRTとは、CBTの点数を基準とした偏差値みたいなものです。
IRTは、前年度までの数年の先輩の点数を基準とした総合的な指標らしいです。
500を基準としています。
基本的に偏差値と同じものだと考えてもよいのですが、過去数年の先輩の点数を基準として算出されているので、微妙に数値が変わります。
また、基本的にはありえないことですが、1年だけ平均点が高い年があれば、IRTの500の位置にある点数がそれだけあがります。
合格の基準は得点率ではなく、IRTで決まっているので、その分合格に必要な得点率があがることになります。
この数値が359以上だと合格というのが共通の基準です。この基準に加えて各学校が設けている基準があり、それが進級の要件となります。この数値は大学や年によって大きく変わることもあるので、最初に確認しておきましょう。
大体400-425のところが多いらしいです。
400-425というのは、2020年現在では大体67-69%辺りの点数らしいです。ちなみにIRT360は65%らしいです。この点数はあくまでも参考とされる値であり、これのみをソースとして得点率などの計画を建てるのはやめてください。
また、先程のIRTの説明をしたように、この得点率は過去の全国の先輩の得点率の平均によって変動します。基本的にはそれほど変わらないと思いますが国試のインフレ化が進む中、そもそものCBTの問題の難易度が上がったり、コロナウイルスの影響で自宅学習をする人が増え、2020年度、2021年度(どうなるか不明)の平均点が有意にあがってしまうと、IRTは同じでも得点率のボーターが上がる恐れがあります。
大学のボーターあたりにいると感じている人はギリギリ合格から留年をかけた再試へと突き落とされる可能性があるので、例年の再試者から逆算して危機感を感じたらスケジュールを組んでしっかり対策しましょう。
CBTって落ちるの?
CBTは、勉強しなければ落ちます。先輩によっては越えてきた山を低く見て、あんなの落ちない!という人もいるかもしれません。そしてその人は余裕だったのかもしれません。
僕自身が元々詰め込んで追い込んで勉强をするタイプではないので、なんとも言えませんが、人によってはかなり追い込んで勉強して、それで基準から5-10%を上回る程度という人もいました。
もちろん勉强を始める時期(後述)や当人のキャパの問題もあると思いますが、その辺りは医学部で3(or 2)年間過ごしてきた自分が1番わかっているかと思います。
また、大学によってCBTの組み込まれている時期が異なります。学内の試験の前後などにある場合は勉強する時間が分散する可能性があるので、気をつけてください。
高得点取るべきなの?
CBTをがんばるべき。
CBTはとりあえず受かればOK。
などという論争が時々見受けられます。
個人的にこの是非については言及しませんが、自身の中でCBTでのある程度の目標は決めておいたほうが良いと思います。その一助となる情報のみ提供します。
マッチングに必要なの?
関東圏を中心に病院のマッチングの参考資料としてCBTの点数が使われることがあります。病院によってはマッチング試験があり、この場合にはCBTには全く重きが置かれないこともあります。
また、CBTに重きが置かれる場合には、85%が大体の優秀層の目安だと言われています。
マッチングのために高得点を取りたいのであればこれくらいを目標とすると良いと思います。
ギリギリ合格のその後…
CBTが終わった後実習があることもあり、病棟で先生からCBTの点数を聞かれたり、急に同級生間でマウントの取り合いが始まることがあるらしいです。面倒ですが、メンタルが弱い人が少し悪い点だとたいへん辛くなるかもしれません。
こんなときはぜひ、Ankiで医学用のカードを作成してぶん回して憂さ晴らししてください。
また、ギリギリで受かった理由はいくつかあると思いますが、理由によってはそのまま国試に落ちる可能性もあります。
実際、大学ごとに定められているIRTの基準は、統計的なデータに基づく、CBTの点数ごとの国試合格率が有意に下がる点と言う話もあります。
- 勉强の開始が遅かった
- 勉强の方法が悪かった
- 理解を置き去りにした
- 復習をあまりしなかった
- 範囲を絞った
などと色々と理由はあるかと思います。自分が点数の低かった理由を認識していれば特に問題ありませんが、そうでなければその因子のせいで国試に落ちることもあるかもしれません。
この辺りは勉强を始めるにあたって先輩の話や受験体験記などを参考に「失敗例」を中心に集めることで回避できると思います。