QuizletとAnkiは、単語帳を作れるアプリです。
フラッシュカードに英語や覚えたい内容を入力して繰り返し学習することで記憶の定着を図ります。
この2つは、自由に自分で好きな単語帳を作れるアプリとして紹介されますが、実際どんな風に違うのかわからない。という声をよく聞きます。
そこで本記事では、AnkiとQuizletの違いとそれぞれのアプリが向いている人を紹介します。
AnkiとQuizletを比較
Ankiには、大きく分けてスマホ版とパソコン版、Quizletには無料版と有料版が存在します。
AnkiとQuizletの大きな違いは、その手軽さです。
Ankiは、iOS、iPad OS版が3000円するのに対して、quizletは無料で始めれられます。また、Ankiがパソコン(パソコン、Androidは無料)も使うことを前提とされているのに対して、Quizletはほとんどスマホ/iPadだけで使用可能です。
詳しい違いは以下の通りになります。
演習 | 画像問題 | 音声学習 | オフライン | カスタマイズ | グループ学習 | |
---|---|---|---|---|---|---|
Anki | ◯ | ◎ | △ | ◯ | ◯ | △ |
Quizlet | ◎ | × | ◯ | × | × | ◯ |
Quizlet(有料版) | ◎ | ◯ | ◯ | 〇 | × | ◯ |
簡単に言えば手軽で、みやすいのがQuizlet、カスタマイズで自分だけの単語帳を作れるが難しく質素な外見をしているのがAnkiです。
暗記用のアプリとして重要になるいくつかの項目についてQuizletとAnkiを比較します。
演習方法
単語帳アプリは作って満足…では頭に入りません。
むしろその後の演習が大事です。
この演習は、Quizlet > Anki。
Quizletは、学習(選択肢形式)に加え、筆記、マッチ、テストと多彩な解答方法を選ぶことができます。自分の好きな方法でアウトプットできるのは魅力的です。また、正解をすればアプリが褒めてくれます。
それに対して、Ankiは作ったカードの形式に合わせた解答方法しかできません。表裏のカードなら、めくる。穴埋め形式なら穴埋めと、それ以外を選ぶことができません。
画像問題
暗記学習には視覚を使った方が覚えやすい場面が多々あります。
言語学習ではあまり使いませんが、医療系用語の解説などで画像はよく使います。
Quizletの無料版ではそもそも画像が使えません。月額課金性の有料版では画像は使えますが、参考の画像として載せることしかできません。
Ankiでは、image occlusion enhancedというアドオンを使って画像問題を作成できます。画像をそのまま問題として複数作成できるので記憶定着に役立ちます。
音声学習
音声学習は主に外国語の音を学ぶときに使います。Quizletでは、英単語を打ち込むだけで自動で音声が入るので自分で音声を用意する必要がありません。そのため、言語学習にあまりなれていない人には最適です。
Ankiはそれに対して、どんな音声でも入力できますが自分で用意する必要があります。
音声を入力してしまえば、リスニング演習・スペルの確認に役立ちます。
訳を探す方法
単語帳を作るときには、単語とその訳を入力します。Quizletには、単語の訳のサジェスト機能があります。
なのでわからない単語でもメジャーな単語であれば大体訳を簡単に入力できます。
オフライン学習
QuizletとAnkiは共にデータをオンラインに保存できます。
Quizletの無料版では、オフライン閲覧ができません。そのため、電車やバスの中で移動中に軽く単語帳を見る際には、接続環境が必要になります。
AnkiとQuizletの有料版では、オフラインで見れるのでこの点は安心です。
カスタマイズ
まさにankiの独壇場なようなものです。
Ankiはやろうと思えばどこまででもカスタマイズできます。テンプレートに辞書の検索を埋め込むことでAnkiカードから単語をWeblioなどの辞書で調べることもできますし、フラッシュカードの表示方法をHTML/CSSをいじって自分の思うようにカスタマイズできます。
また、アドオンを使えばさらに機能を追加できます。
グループ学習
複数人で同じ項目を学習するときには、作りながら勉強するか、同じ教材で勉強するかで大きく違ってきます。
Quizletには先生機能や今現在使っている単語帳の共有機能があります。そのため、複数人で学習するときにも使えます。
しかし、Ankiはデッキの共有機能しかないので出来上がったデッキを共有することしかできません。
同じ項目を共有して学びたいようなときには、Quizletの方が使いやすいです。
Anki、Quizlet両方でできること
上で紹介した違い以外でどちらのアプリでもできることを紹介します。
穴埋め問題
穴埋め形式の問題とは、文章の一部を隠すことでその部分を答えとするカードを作成するものです。
穴埋め形式の問題はどちらでも作れます。複数の穴埋め問題を一括で作成するのはAnkiでしかできません。
CSVで効率的にカードを作成
CSVとは、AnkiやQuizletに適したファイル形式のことです。
Excelやスプレッドシートを使って、作成すれば1枚ずつカードに入力していくよりも効率的にカード作成ができます。
- ワードまたはエクセルの文書を開くか作成します。
- カンマ、タブまたはダッシュで用語と定義を区切ります。
- セミコロンまたは改行で列を区切ります。文書の各列が、個別のカードになります。
Quizletを使うのに向いている人
手軽でつかいやすく見やすいが売りのQuizlet。
とりあえずカードアプリで単語帳を作ってみたい人、外国語を学び始めたばかりの人にはおすすめです。
また、無料版、有料版と段階的に機能を選べるので自分の用途に合わせて変更できます。
無料版、有料版の違いは、画像使用・文字修飾・オフラインでの使用の有無です。
画像使用可能なQuizlet plusでは、iOS、アンドロイドのカメラでスキャンした内容をそのままカードに使えます。
Ankiを使うのに向いている人
Ankiは、カスタマイズして自分の好きな暗記項目に合わせたカードを作成できます。しかし、パソコン版とAndroid版は無料にも関わらず、iOS・iPad OS版では、3060円と高額です。
そのため、気軽に始めようとするのは少し難しいかもしれません。
しかし、テンプレートのカスタマイズやブラウザ機能による一括編集などAnkiにしかない機能がたくさんあります。